お店にある桃がどうしてピンク色になるの?実は農家さんによる地味な作業が関係している

お店にある桃がどうしてピンク色になるの?実は農家さんによる地味な作業が関係している

はじめに

お店で販売されている桃のほとんどの物がピンク色をしています。

中には黄色の「黄金桃」と呼ばれる品種もありますが一般的に見られる

ほとんどの桃はピンク色です。

ところで、桃がどうしてピンク色になるのか考えたことがありますか?

市販で売られている桃が全体的に綺麗にピンク色に染まっているのは実は

農家の人が汗水垂らして苦労してある一手間を加えたからなのです。

あなたがお店で桃を買う時、何で桃の良し悪しを判断していますか?

『赤くて美味しそう!これかな。』『ちょっと色にムラがあるから、別のにしようかな』

そうです。おそらく多くの人は色で購入する桃を選択しているはずです。

つまりこの着色作業は、直接商品の売れ行きを左右するとても重要な作業なのです。

では一体どのようにしてあのお店に売られている美味しそうで、綺麗な色の桃が

作られるのかについて、その秘密をお話しましょう。

桃が色づく原理

地域にもよりますが私の住んでいる長野県北部中野市のとある農家では6月上旬に行う袋掛けという

作業を行います。害虫や病原菌、傷から守るために行うと言われていますが実はこの袋掛けの作業が

桃の発色に大きな役割を果たしています

もともと桃の身の中にはクロロフィルと言う葉っぱに含まれる成分が含まれておりこの物質が

多く含まれていると太陽光が当たっても鮮やかに発色はしません

袋をかけると次第にこのクロロフィルが減っていき、袋を取って太陽光を浴び一気に

発色します。

発色への障害

人の日焼けと同じこと

とりあえず太陽光が当れば自動的にバランスよく全体的に発色が広がるかと言うと

答えはノーです。私たちが海に行って水着の当たっていない皮膚が黒く焼けてしまうのと

同様に、桃も太陽光が当たった部分だけ発色します

問題となるのが物の影になったりすると、その部分だけ発色せずクリーム色のままと

なってしまいます。見た目があまり美味しそうでない桃ですね。

障害物となるもの

実際にこちらをご覧ください。

 

一見手前の桃、美味しそうなピンク色で収穫できそうに見えますが…

葉っぱをめくってみると、ご覧の様に葉っぱの影になっていたところはまだ

発色しておらず。

上記の例の様に発色の障害となるものは桃自身の枝や葉っぱだったのです。

障害物の除去

綺麗な発色をさせるために手作業で発色の妨げとなるものを除去していく必要があります。

これが葉摘みと言う作業になります。

桃のに被さっている葉っぱを

ちぎって落とし、太陽の光が当たるようにします。

これは完全に手作業となり、一つの桃の周囲にある影を作っている葉っぱ、枝を摘んだり、

一個一個切り落としていきます。一本の木に大体500個の桃がなるので一個ずつ地道に同じ作業を

繰り返します。自分の手の届く範囲だけではなくハシゴを使用して木のてっぺん周囲でも

行うのでとても大変な作業です。

反射シートの使用

多くの桃は下に垂れ下がるようにしてなっているため、上からの太陽光だけでは

どうしても下側が発色しません。

そこで使用されるのが特殊な白い反射シートです。

桃の発色は直接的な太陽光だけでなく反射で届いた光でも作用を引き起こすため

その理由からこのような特殊なシートが用いられます。

障害物の除去のし過ぎ

では太陽光をサンサンと全体に当てればいいじゃないかと、桃周囲の葉っぱを全て切り落として

仕舞えば良いではないか!と思うかもしれないが実はこれは誤りです。

果実の付け根周囲にあまり多くの太陽光が当たってしまうと実が柔らかくなり易いので

その周囲は葉っぱを半分程度残しておく必要があるのです。

農家さんからは「果実の半分から下が出てればいい。」と教えてもらいました。

太陽光がちょうどいいバランスで当たるように調整しなければならないので、

非常にセンスの問われる作業です。

まとめ

桃が赤くなる原理と発色までの過程を簡単に説明しましたが、

お店で販売されている桃が綺麗なのはこのように農家さんが一個一個手厚く

管理してくれているからなのです。またちょうどいい色付きと、硬さのタイミングを

見計らって収穫をしなければならないので最後まで神経を使います。

将来、太陽の光が一箇所に当たっただけで果実全体に満遍なく

発色が起こるような技術が開発されれば農家さんは大喜びするだろう、なんてことを

思ってしまいました。

桃だけに限らず日本の果物の値段は本当に高くてびっくりしますが、

実際に作られている現場を目の当たりにすると、その値段でも納得せざるを得ないこと

があります。

お店で桃を見かけたら是非手にとって、この物語を想像して欲しいです。

この色になるまでに沢山面倒見てもらったんだね…」と。

どうかそして値段を見ないでレジに持って行ってください。